上品な客層の「三越」の前が歓楽街なんて、広島は面白い・・・。
何故にこの時間に「三越」に?
それはひとえに僕が時間の関係で宮島に行けないことによるものです。
ま、以前、奥さんと行ったことがあるということもありますが、これはちょっと残念。
だって広島といえば、お好み焼き、穴子、牡蠣だし、あとの2つは宮島口での方がずっと上質なはず。
特に宮島口の「品田水産」の「かき小屋」は狙ってたんですが。
お好み焼きは食べたので、あとは穴子か。
宮島口で一番有名な創業明治34年の「あなごめし うえの」、宮島口まで行ってもたいてい大行列なので、そこで「三越」という裏技です。
「三越」の地下1階に「あなごめし うえの」の支店があり、そこではたいてい待たずに食べられると教えてもらったのです。
「あなごめし」は、上野他人吉が、宮嶋駅(明治30年開通)の駅売弁当として販売したのがはじまりです。 他人吉は明治の中頃、宮島でお米の商いをしておりました。
その後、機会があって宮島口の駅前参道に茶店を開業。
その茶店を起点にあなごめしは誕生しました。
当時穴子が沢山獲れていたこの宮島近海では、昔から地元の料理として穴子どんぶりがございました。
茶店でも旅人を楽しませていたことでしょう。
江戸時代の芸藩通史にも当地の穴子の美味しさが書き伝えられております。
他人吉は、この宮島でもてなされていたであろう「穴子どんぶり」の白飯を工夫し、穴子のアラで炊き込んだ醤油味飯を考案しました。
その炊き込んだ飯はこくがあり大変評判となりました。
当時開通したばかりの宮嶋駅で駅弁を販売する事を考えていた他人吉は、早速この飯に穴子をびっしりと敷き詰めた「あなごめし」を名物として販売する事にしたのです。
以来、山陽本線では評判となり、駅弁として販売を続け百十年を超えました。
今では、宮島や広島市内においても「あなごめし」の名前は広く使われるようになり、特徴とこだわりを持った美味しい広島の名物となりました。
「穴子どんぶり、穴子弁当」は数多くありますが、「あなごめし」は両親の守った上野他人吉の味が一番と信じて頑張っております。
「三越」店のイートイン・カウンターでは現在「あなごめし」の「小」、「並」、「特上」の3種類のみが注文可能。
違いは穴子の量で、ご飯の量はみな同じだそうです。
実は「あなごめし」を一人用の土釜で炊き上げた「釜炊きあなごめし御膳」というのが僕のお目当てだったのですが、残念、今は休止中と。
あなごめしはまずそのまま食べ、次に「おこげ」にだし汁をかけてお茶漬け風にして楽しむという御膳、食べたかったなぁ。
注文後約10分でこの丼が。
穴子の炊き方もですが、穴子のアラで炊きこんだ醤油味のご飯の旨いこと。
ここの丼はご飯の量はかなり多いです。
アクセントの生姜もぴたり合っていました。
値段は「並」で2300円+。
「名物に旨い物なし」の名言はここでは通じません。
お土産用の穴子製品や弁当も飛ぶように売れていました。
陽も暮れてきたので、急いて路面電車(2号線、6号線)で「原爆ドーム」まで。
もう時間も時間だし、ほとんど人のいなくなったドーム周辺を散策、「ここは観光するところじゃない、勉強するところだ」の気持ちも新たに、深く一礼。
すぐに切り変えられるのが僕の良いところで(悪いところ?)、隣にある「マツダ」が作った複合施設「おりづるタワー」に行ってみます。
位置関係はウェブの写真をお借りすると、こんな近く。
この時間は「おりづるタワー」の物産館(土産物屋)などはすべて終っていて、開いているのは「ルーフトップバー」だけ。
昼間来れば、建築自体も面白そうで、展望スペースは有料ですが、12階の「おりづる広場」では入場者が折ったおりづるを北側の壁に整備されたガラスで吹き抜けになった「おりづるの壁」に落とし入れる事が出来るんだとか。
1階から屋上まで続くスパイラルスロープ「散歩坂」というものがあったり、スロープの横に整備された滑り台は避難用だけではなく一般客も自由に利用することが出来るなんて聞きました。
でもいまは夜、それらは利用できず、僕が行った「ルーフトップバー」のみ営業中。
最上階の展望スペース「ひろしまの丘」でドリンクや軽食が楽しめるというバー。
入場は1000円かかりますが、ドリンクはノンアルコールもあり、1000円くらいからです。
この「ひろしまの丘」は来場者が風を強く感じられる様に工夫され、完全なオープンエア!
腰の高さくらいのガラスの柵があり、ネットも張られていますが、照明をほとんど落としているので、最初はかなり怖いです。
その名の通り、中央には「丘」が作られ(写真では暗くて分かりづらいかもですが)、その斜めの段々に腰かけたり寝そべったりもできます。
「原爆ドーム」を見下ろしたところ。
この日はこの高さだと暑くもなく、寒くもなく、ちょうど良い具合。
低くジャズなどが流れているだけで、街の騒音はほとんど聞こえません。
辺りはほぼ真っ暗、ところどころに照明のみ。
ということは恋人たちの聖地(笑)といった感じです。
オジさん一人ではとても居心地悪く、でも気候などは最高で、ここに長居したかったのですが、ちょっと無理でした。
上記の写真はiPadで撮ったんですが、デジカメでのほうが良くわかるかとダブりを承知で。
またまだ動いている路面電車で「流川」まで戻り、その繁華街っぷり(?)を見学。
ちょっとだけぶらぶら、沈没はもちろんしませんでしたよ(笑)。
「ヒルトン広島」に戻り、バー&ラウンジの「ZATTA」を覗いてみます。
「ヒルトン東京」のバー&ラウンジと同じ名前を持つここ、もう夜も遅いせいか、店じまい寸前、後片付け中?
お客は誰もいませんでしたが、週末などにはライブ演奏も入るんだそうです。
ホテルのGMは「ヒルトン東京」からの赴任(その前はホアヒン、シンガポールのヒルトン勤務)、きっと「ZATTA」やロビー「フローラウンジ」の「フロー」など「ヒルトン東京」と同じ名前を使っているのは、そのせいでしょうか。
(「ヒルトン東京」の「FLOW」はパティスリー)